イタリア現地レポート ~当社スタッフが現地で取材~

2012年7月6日 

ピアジオ副社長 ジャンカルロ・ビネティ氏インタビュー

ピアジオ副社長 ジャンカルロ・ビネティ氏

ピアジオ社副社長 ジャンカルロ・ビネティ氏の当店スタッフによる現地インタビューです。イタリアンスクーターの魅力などについて語っていただいてます。

 

最近日本では、日本製の2輪に無い「イタリアの風」みたいなものを求めて、たとえ若干値段が高くてもイタリアンスクーターを求める方が少しずつですが増えています。

 

ジャンカルロ・ビネティ氏(以下ビネティ氏): ご存知のように、日本の2輪は戦後急速に外車を、特に性能とコストパフォーマンスで追い越して世界を制覇しました。この成功の原因は生産技術の確立にありますが、言い換えれば「大量生産第一主義」です。その高品質、低価格の製品が戦後の大衆に普及していったのは良いことでした。

日本のバイクはなぜか「冷たい」感じがするのです。

しかしです、こういう言い方をして失礼かもしれないが、どうぞ怒らないでいただきたい。イタリア人の私から見ると、日本のバイクはなぜか「冷たい」感じがするのです。

 

その「冷たさ」の原因とは何だとお考えになりますか?

 

ビネティ氏: 誤解しないでいただきたいのは、デザインが悪いと言っているのではないのです。むしろとてもキレイにできています。この辺は感覚の問題なのでしょうが、日本のバイクを見た時に「絶対に欲しい」とか、「カッと熱くなる」、そういうパッションを感じないのです。

 

デザインはマネできても・・・

 

ビネティ氏: そう、アニマ(精神の意)はコピーできにくい、ということですね。その象徴が先ほどご覧になったベスパです。日本で、世界中でベスパのコピーはたくさん作られました。でも今まで一台としてベスパに追いついたモノはありません。

 

VESPA IS VESPAということでしょうか?

 

ビネティ氏: その通りです。考えてもみてください、50年以上基本デザインが変わってないのですよ?今見ても古さを感じない、これは翻って言えば50年ほど前にデビューした時の完成度がいかに高かったかということです。

今朝もちょうどベッカムが乗っている写真が届きました。

ベスパの爆発的ヒットには、60年代のベスパに乗る有名人のおかげもあったと思うのですが現在の有名人ではどなたが乗っていますか?

ピアジオ副社長 ジャンカルロ・ビネティ氏

ビネティ氏: たくさん居すぎて特に誰とは言えませんね。そのリストなど作ったら大変な長さになるでしょう。とにかく毎日、私の元には世界中のベスパファンが送ってくれるいろいろな映像が集められます。今朝もちょうどベッカムが乗っている写真が届きました。ほら、これです。それとこれがブリトニー・スピアーズです。

 

しかし現在ベスパは特定の有名人とのCM契約を結んでいませんね?

 

ビネティ氏: まず、そういう必要を全く感じないのです。それと、あまり一人のスターに製品のイメージを依存させ過ぎるというのは危険でもあります。もしかしたら明日に脱税するかも知れない、ドラッグや未成年者犯罪で捕まるかもしれません。そうなると商品のイメージは壊されます。ベスパはジタバタせずとも一人歩きして行きます。

ベスパは「伝説と崇拝です。」

一つの商品がそこまでのブランド力と人気を得られるのはすごいことですね。さすがベスパと言ったところでしょうか。ところで、副社長はベスパ・ピアジオ・ジレラの3ブランドの活動を全て統括なさっていますが、ここで3ブランドの特徴をお願いします。

 

ビネティ氏: ベスパは「伝説と崇拝」です。これは言い換えれば過去(伝説)と未来(崇拝)です。いままでの歴史があるから、将来が約束されているのです。ベスパはますますベスパとなっていくわけです。ピアジオは「機能性とデザイン」です。見て美しい、乗って便利、安心な製品を目指しています。ジレラは「スポーティビティーとパワーへの情熱」です。荒馬を乗りこなすライダーの楽しさを感じて頂きたいと願っています。

 

最後に日本のユーザーにメッセージをお願いします。

 

ビネティ氏: もっと、もっとイタリアンスクーターに乗ってください(笑)。きっと日本車には無い、新しい「何か」を感じられることでしょう。

 

インタビューを終えて

私達がピアジオ本社に訪れた際、ピアジオ及び各ブランドを統括するビネティ氏は重要な会議中とのことだったのでインタビューを諦めかけていましたが、ご本人が「ぜひ日本の方にお会いしたい」とおっしゃってくれたので5分間だけ時間を割いていただけました。わずか5分間のインタビューで感じたのはそのレスポンスの速さで、こちらの質問に対して言いよどむという事が無く、しかも最適な言葉がズバッと返って来るのには少々圧倒されるものがありました。

 

※このインタビューは2004年2月に収録したものです。初出:connrod.com

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